パーマカルチャー(permaculture)とは、
permanent(永久的な) agriculture(農業), culture(文化)を組み合わせた造語で、
農業を起点に、地球を傷つけることなく、
人も植物も動物も虫も全てが豊かに共存していけるような生き方、暮らし、社会のデザイン手法です。
つまり、ひとことで言うなら
『持続可能な暮らし方をデザインする』
と言うこと。
でも実際これだけだと抽象的で実際のところがわからない…(かつての私)
ですが!この記事を読めば、パーマカルチャーがどんなものか理解できて、
その魅力にハマること間違いなしです!
パーマカルチャーをひとことで表すのは難しすぎる
パーマカルチャーでは、実践する上で基準となる3つの原理、12の原則があるのですが、
パーマカルチャーに興味がある時点でそれを見ても、
なんとなくわかるようなわからなうような…
私自身、
2023年の秋にデンマークのavnøホイスコーレで、
パーマカルチャーデザインコースを修了しましたが、
情報量の多さが半端なくて、一緒にコースを受けていた誰もが圧倒されていました。笑
野菜を持続可能な方法で育てると言うだけではなく、
持続可能な人間生活全体をデザインするといった広範囲にわたるため、
ひとことで説明するのが難しいというかできない。笑
また英語で学んだこともあり、
頭で理解していても言葉で説明するのが難しい!と思っていました。
そこで現在「パーマカルチャー〜農的暮らしの永久デザイン〜」と言う本を読みながら、日本語での知識の落とし込みをしています。
この本を読み始めて、言葉にできていなかった部分が、
そうそう!そう言いたかったんだよ!とクリアになったので、
今回は3つの原理、12の原則はひとまずおいておいて、
この本と授業で学んだ事をもとにわかりやすく説明してみたいと思います。
参考書
・パーマカルチャー〜農的暮らしの永久デザイン〜
パーマカルチャー創始者のひとりであるビル・モリソンさん著の本。
パーマカルチャーの教科書!といった感じです。
まだ読んでる途中ですが本当に面白い。
パーマカルチャーを実践したい人は持っておくと役に立つと思います!
パーマカルチャーとは
1.多種作物農法
パーマカルチャーでは、
一つの場所に、さまざまな種類の植物を植えます。
それぞれの植物の持つ特徴を観察理解し、
相互に助け合って、よりよく育つ植物同士をそばに配置します。
一つの場所に一つの作物という育て方はしません。
多種作物農法の反対にあるのは、モノカルチャー(単作)。
一つの土地で1つの食物を集中的に生産すると言うこと。
生育時期や収穫時期が同じであるため、効率的に生産することが可能です。
ですが、そのために土地を切り開いたり、水資源が大量に必要であったり、
農薬や肥料で土地の地力が失われるなど、環境破壊につながると言われています。
また、気候の影響を受けると、ダメージが大きい点もデメリットとして挙げられます。
2.最小限の土地を耕す
パーマカルチャーでは、
パーマカルチャーを実施する人にとって必要なニーズに沿って、
最小限の土地を利用し、小規模でエネルギー効率の良い集約的なシステムを考えます。
どんどん拡大していくような、
今の資本主義的な、エネルギー消費の多いやり方ではなく、
そこにある土地でいかにエネルギー効率よく暮らせるかを考えます。
3.人間生活全体にわたるデザイン
パーマカルチャーでは、家庭的な自給と地域社会の自立を目指します。
これは、なるべく公共的なサービス(例えば水道や電気など)に頼らなくても良くするイメージ。
ここが私がパーマカルチャーの面白いと思ったポイントの1つです。
災害の多い日本は公共的なサービスに頼り過ぎているともしもの時に弱いけれど、パーマカルチャーでなるべく公共的なサービスから自立しておく事で、もしも事があっても自力で暮らす体力が持てる。
パーマカルチャーの先生はロンドンに自分の畑があるのですが、コロナ禍の時は丸1年自分の畑だけで食糧を賄えたと言っていました!!
このため、畑だけにフォーカスするのではなく、
住む家も含めた土地の利用方法や、資金調達の仕方といった情報も必要になるため、
人間生活全体、どのような暮らしをしたいかまでを考えてデザインをします。
4.「耕された」生態系を作り出す
パーマカルチャーでは、
通常の自然の中で見られる以上に多くの、
人や動物の食べ物を生産しうるシステムをデザインします。
どこにどの植物を配置するのかを、
植物の持つ機能をよく観察して行うことで、
自然の状態よりもさらに多くの食べ物を生み出せる。
自然を守る、よりもさらに先のより良い状態に蘇らせる、再生させることができる(regenerate)
パーマカルチャーの先生が、
「パーマカルチャーは革命だ!」といっていたのを思い出しました。
人間が自然を観察して、自然に逆らうことなく、
ちょっと工夫をすることで、
植物たちがたくさんの作物を生み出してくれるといったイメージです。
5.自然に従う
自然はそもそも勝手に育っていくので、
人間の都合で自然の望まない事をすると、なかなかうまくいきません。
自然をよく観察して、自然に従うという見方でデザインする事で自然との調和が生まれてさらなる豊かさが得られます。
もちろん肥料や農薬は使いません。
人間が自然を支配すると言う今までのやり方で、
自然の本来あるバランスを無視し続けた結果、
異常気象が多発したり、世界中で大規模な山火事が起きたり…
自然を攻撃することは、同時にわれわれ自身を攻撃(そして結局は壊滅させる)ことになる。
パーマカルチャー〜農的暮らしの永久デザイン〜
パーマカルチャーでは、自然も人間も上下がない、
同じ生命という見方をします。
自然と調和することで、
本来持つ自然の力以上のものを引き出すといったイメージです。
6.地産地消
恒久的で持続可能な農業、人々の暮らしにおいて、そこで必要なエネルギーは常にそのシステムの中でまかなわれることが必要です。
その土地の外からエネルギーを引き入れるという事は、必要なエネルギー+輸送のエネルギーが多く必要。
発電所をイメージするとわかりやすいですが、
エネルギーを作る際には多くの土地もいるし、化石燃料を使った場合の環境への影響が大きく、
原子力発電所の場合も、福島の原発事故からもわかるように、リスクがかなり高い。
地産地消で、その土地に必要な分はその土地でまかなう事で不必要に自然を汚すこともなくなります。
完全にエネルギーをその土地で賄うのは難しくても、
できるだけ地産地消できないかを考えてデザインをすることが大切です。
7.最小限の労力で最大限の効果
これはパーマカルチャーの最大の魅力の1つかもしれません。
居住地や道路、畑などその土地にある全ての要素をしっかり観察して、
それぞれがどのように関連し合えるかを考えた上で、
適切な場所に植物たちを配置することができれば、
自然が勝手に育ってくれるので、人間がそこまで手入れをする必要がなくなってきます。
なので、いいパーマカルチャーがデザインできれば、
畑に費やす時間は減り、自分の時間もたくさん持つことができるということ。
終わりに
パーマカルチャーの基本理念をもっとも適切に言い表しているのは、おそらく『わら一本の革命』の著者福岡正信であろう。
要するにそれは、自然に逆らうのではなく、自然に従うという理念である。
パーマカルチャー〜農的暮らしの永久デザイン〜
驚いたことに、海外で生まれたパーマカルチャーですが、
その基本理念をもっとも言い表しているのは、日本人である福岡正信さんと言われています。
デンマークでパーマカルチャーを学んだ時も先生が、福岡正信さんは素晴らしい。と言っていました。
福岡さんは、何もしない農法を目指して、田を耕さず、肥料をやらず、農薬もやらず、雑草も抜かない、だけど多収穫という究極の自然農法を実践された方です。
これからもわかるように、自然の力を信じて、自然と調和することであれこれ手を加えるよりも豊かな恵みを得ることができます。
パーマカルチャーを実践することで、
地球を傷つけることなく、
自分の食糧を得ることができ、
豊かな自然を取り戻す手伝いができる、
(しかも毎日忙しく畑の手入れをしなくても!!)
パーマカルチャーの魅力が少しでも伝わっていたら嬉しいです。
魅力を語っておきながら、私もまだ本格的な実践に移せていないのが心苦しいところ…
ですが、なるべくオーガニックの野菜を買ったり、
その土地で採れた野菜を買ったり(地産地消)
本当に必要なもの以外買わない、
何かを購入する際は、環境に配慮された製品を選択したり…
そういった小さな行動も、パーマカルチャーの実践の小さな一歩だと思います。
次の一歩として、室内やベランダで育てられる植物を育ててみようと思います!
その他おすすめの本
・わら一本の革命
前半がかなり難しくて読み進めるのに時間がかかりましたが、
農法だけじゃない生き方の哲学本とも言えると思います。後半からは一気に読み進めることができました。
自然と調和して生きようと強く思うきっかけになった1冊です。
・都会からはじまる新しい生き方のデザイン
自然が豊かな場所ではなくても、
都会に住んでいてもパーマカルチャーの視点を取り入れていくことは可能です。
都会でもっと自然に豊かに暮らす方法、考えたを学べる1冊です!
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